- ■ 期待
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期待……よい結果や状態を予期して、その実現を待ち望むこと(goo検索、大辞林第二版より)
皆さんは「期待」という事をしますよね。誰でも例外なく、一度は「期待」したことがあるはずです。
では「期待外れだった」「期待通りにいった」ということがあるでしょうか?
何かに対して期待し、期待外れだったら残念ですよね。勿論期待通りにいけば嬉しいですが、 それは期待していなくとも同じことなのではないでしょうか? 意表をつかれ、逆に楽しいのではないでしょうか?
例えば(ちょっと悪い例えですが)、何かのスポーツのコーチが選手に対して、 「こいつは出来る」と思って期待していたのに、結果が散々なものであれば、そのコーチは残念だと思います。 逆に、「こいつは出来ない奴だから」と思っていた選手が素晴らしい業績を挙げれば、そのコーチは驚いてしまうでしょう。
期待されていた方は期待に応えられなかったことに傷付くかもしれませんし、 また逆に期待されていなかった人は「実は凄い奴だったんだな」と言われるようになるかも知れません (そう上手くいくとは限りませんが)。…女子柔道の田村亮子選手が昔オリンピックで(いつのオリンピックだっけ?) 惜しくも金メダルを取り損ねた時、マスコミは「マジか?」という感じで扱っていましたが、 銀メダルだって相当立派じゃないですか?
同じオリンピックで、他の人たちが銀メダルを取っていたのには「よくやった」と誉めているのに。
まぁ田村選手の場合はその次のオリンピックで見事優勝を果たし王者に返り咲きましたが、 そんな例ばかりではありません。むしろこんな例は稀です。しかもこれはスポーツ界にだけ言えることというわけではないのです。確かに期待されていた方がやる気は出るかも知れませんし、応えたいと思って頑張れると思います。 かの長嶋茂雄はプレッシャーがものすごい時に限ってホームランを打っていたという話を聞きます。 しかし、そんな芸当をやってのけるのはプレッシャーを何とも思わない人や、またはそれに打ち勝つことの出来る強い人だけです。
過剰な期待はその人にプレッシャーを与えてしまい、その人にストレスをもたらす可能性もあります。 そのプレッシャーによってその人が失敗してしまっては元も子もありません。
最近の親は子供に過剰な期待をし、英才教育を施しているなどという話をよく聞きます。 子供は純粋ですからその期待に応えようとするでしょう。しかしこれも同じく、上手くいくとは限りません。 親はそれに落胆し、また子供も傷付くでしょう。「分相応」という言葉があるように、 子供は外で泥だらけになって遊んでいて然るべきものです(勿論その子がそれを嫌がればそれまでですが)。「期待」なんて綺麗な言葉に聞こえますが、使い方には十分注意すべき言葉のように思えます。