- Column -

■ 対人距離

人との距離の取り方って難しいですよね。「この人とはあまりお近付きになりたくない」とか「この人ともっと親密になりたい」とか。 ところが思った通りにはいかないもので、嫌いな人に好かれていたり、はたまた好きな人に嫌われていたり。 「人付き合いは難しい」と言われる所以です。

でも私は、思った通りに行ったとしてそこからどう付き合うのかの方が問題だと思います。 「お近付きになりたくない」ということならうまく行けばそれでオシマイなんですが、 仲良くなって、あまりに近付きすぎてその人の一点しか見えなくなり、傷付けてしまうなんてこともありがちです。 こうなった場合、傷付けられた本人は勿論のこと、そのことに気付けば傷付けた本人も少なからずショックを受けるでしょう。 それが謝って済む問題ならそれでいいんですが、謝って済まされることでなかった場合、 またそれによって関係意識が変わってしまった場合、どう修復するのでしょう?

世界中探しても自分は一人だけ、そしてその相手も一人だけです。 しかし「関係」については一つとは限りません。同じ人との関係でも、色々なものがあるはずです。 例えば「仕事仲間」という関係と「親子」という関係が両立している場合もあるでしょう。

このように関係が二つ以上あった場合でも、一つの関係が壊れると他の関係まで悪化させる場合が多いのではないでしょうか。 最悪の場合、全ての関係が壊れ他人になってしまうのです。 関係が崩れ他人に戻ったとき、最初から他人だった場合よりはるかに後味の悪いものとなります。

人付き合いのうまい人、または下手な人がいますが、これはこの「距離」の取り方であると思います。 常日頃から距離についてよく考え、自分と相手との最適な距離を保つことは重要だと思います。
あとは許容量ですね。自分にはどれだけの「関係」が持てるのか、ということです。二人の関係を、 二人で紐の両端を握っている絵に例えると分かりやすいのですが、 沢山の人と関係を持っているわけですから何本も握っていることになります。これが多すぎると、当然持ちきれなくなりますね。

円グラフ的に自分のキャパシティを把握して「どれだけをどの人に割り当てるか」ということも時には考えなくてはならないような気がします。

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